Written :
July 2, 2024
Updated :
July 2, 2024

Vol.07(b) EigenLayerで始めるイーサリアムリステーキング入門

(本ページはプロモーションを含んでいます)

はじめに

暗号資産の世界は常に進化を続け、投資家に新たな機会を提供しています。その中でも特に注目を集めているのが、イーサリアムのリステーキングと、これを実行するための有力なプロトコルであるEygenLaynerです。本記事では、以下のような疑問をお持ちの方に一読頂きたいです。

1)イーサリアムのリステーキングとはなに?

2)EigenLayerとは?

3)EigenLayerでリステーキングをするには?

まず結論を記載しておきます。

それでは、各ポイントについて詳しく見ていきましょう。

1)イーサリアムのリステーキングとはなに?

①リステーキングとは?

まず、 ステーキングの簡単なおさらいをしながら順を追ってリステーキングについての説明をしていきましょう。

a) ステーキングとは

ステーキングとは、暗号資産(具体的にはイーサ)をネットワークにロックすることで報酬を得る仕組みです。イーサを「預ける」(ステーキングする)ことで、ネットワークの運営(データの検証)を手伝い、その対価としてイーサを報酬として受け取ります。

これは、銀行に預金してお金を働かせるのと似ていますが、仮想通貨のネットワーク自体を支える役割を果たという点で付加価値をつけています。

ただし、 この役割を個人が果たすためには、以下の2つの課題がありました。

:最低32イーサという個人には負担の難しい額のお金が必要

:データを検証するためには専門知識が必要

このため個人ユーザーがステーキングをすることはハードルの高いものとなっていました。

b) リキッドステーキングとは

リキッドステーキングは、 個人が小額のイーサを特定のプロトコル(例えばLido)に預け、そのプロトコルが代表してデータ検証することによって報酬を得て、個人に還元するサービスのことです。これにより、個人がステーキングに参加するための2つの課題(「最低金額32イーサ」と「データ検証のための技術」)が解決され、個人の資金がステーキングに入ることを促進します。

その代表的なプロトコルとしてLidoがあり、2024年8月時点で$25bnのTVL(Total Value Locked)を集めており、数多あるDeFiプロトコルの中で最大の金額を誇っています。(最新のTVLランキングはこちら

Lidoはステーキング中の資産の預かり証として流動性トークン(Liquid Stake Token=LST)を発行します。

c) リステーキングとは

リキッドステーキングの預かり証を再度別の場所に預入して収益を上げることが「リステーキング」です。(リキッドステーキングの「リキッド」は、この流動性から名付けられています。)

この方法により、投資家はステーキング中の資産の流動性を確保しつつ、追加の収益機会を得ることが できます。(詳しくはこちら

実例で説明すると、LidoでETHをリキッドステーキング、ここで得たstETHをETHとペアを組ませてLiquidity ProviderとなりCurveに預け入れをして報酬を得る、ということもできます。この方法により、投資家は収益を最大化し、リスクを分散させ、資本効率を向上させることができます。ただし、複数のプロトコルを利用するため、各プロトコルのスマートコントラクトリスクに晒される点や、戦略の複雑さによる管理の難しさには注意が必要です。

ステーキング、リキッドステーキング、リステーキングをまとめ直すと、以下のようになります。

2)EigenLayerとは?

①EigenLayerとは?

EigenLayerはリステーキングによりイーサリアムのセキュリティを強化するプロトコルです。EigenLayerは従来のステーキングやリキッドステーキングの概念をさらに発展させ、ステーキング資産の効率と活用範囲を大幅に拡大することを目指しており、その革新性から注目を集め急速にTVLを伸ばしています。

加えて以下の3つの視点から簡潔に説明します。

a)だれが運営しているのか?

EigenLayerは、暗号技術とブロックチェーンの専門家たちによって設立されたプロジェクトです。主要な創設者には、Sreeram KannanとGiri Sreenivasanが含まれます。彼らは、学術研究と実務経験を兼ね備えた人物で、暗号経済学や分散システムの分野で深い知識を持っています。

また、EigenLayerは多くの有名な投資家やベンチャーキャピタルから資金提供を受けています。これは、プロジェクトの潜在的な可能性が業界内で高く評価されていることを示しています。

b)どのような価値を提供しているのか?

EigenLayerは、イーサリアムのステーキングの概念を大きく拡張し、新しい可能性を開くプロトコルです。投資家にとっての価値は、既にステーキングされているイーサリアムを再利用して、追加の収益を得られるようにすることです。

従来のステーキングでは、イーサリアムをロックしてネットワークの安全性に貢献する代わりに報酬を受け取っていました。EigenLayerは、このステーキング済みのイーサリアムを使って、さらに別のサービスにも参加できるようにします。例えば、データの保存やネットワークの監視など、新しいタイプのサービスを提供することができるようになります。EigenLayerは開発者にとっても新しい可能性を提供します。イーサリアムの安全性を活用しながら、新しいアプリケーションやサービスを構築することができるようになるのです。これは、イーサリアムエコシステム全体のイノベーションを加速させる可能性があります。

c)なぜ注目されているのか?

EigenLayerが注目を集めている理由は、いくつかあります。

まず、EigenLayerは暗号資産の「効率性」を大きく向上させる可能性があるからです。投資家にとって、同じ資産でより多くの収益を得られる可能性があるというのは非常に魅力的です。これは、従来の金融システムではあまり見られない特徴で、暗号資産ならではの革新的な approach として注目されています。

次に、EigenLayerはイーサリアムネットワーク全体の機能を拡張する可能性があります。これは単に個々の投資家にとってのメリットだけでなく、イーサリアムエコシステム全体の発展につながる可能性があります。新しいサービスやアプリケーションが生まれやすくなることで、イーサリアムの実用性と価値が高まることが期待されています。

最後に、EigenLayerのteamとbacker(支援者)の質の高さも注目の理由の一つです。創設者たちの専門知識や経験、そして有名投資家からの支援は、プロジェクトの信頼性と将来性を示す指標として捉えられています。

ただし、EigenLayerはまだ比較的新しい technology であり、潜在的なリスクも存在することには注意が必要です。革新的な concept ではありますが、長期的な持続可能性や安全性については、今後の発展と検証が必要となるでしょう。

②ether.fiとは?

a)誰が運営しているのか?

ether.fiは、ブロックチェーンと分散型金融(DeFi)の専門家たちによって設立されました。具体的な創設者の名前は公には広く知られていませんが、チームはイーサリアムエコシステムでの豊富な経験を持つ開発者、研究者、そして起業家で構成されています。プロジェクトの運営は現在、主に開発チームが中心となって行っていますが、多くの暗号資産プロジェクトと同様に、将来的にはコミュニティ主導のガバナンスモデルへの移行を目指しています。これは、プロジェクトの意思決定をより透明で民主的なものにするためです。また、ether.fiは複数の著名な暗号資産投資家やベンチャーキャピタルからの支援を受けており、これはプロジェクトの潜在的な可能性が業界内で認識されていることを示しています。

b)どのような価値を提供しているのか?

ether.fiの主な価値提供は、イーサリアムのステーキングをより多くの人々にとって利用可能にすることです。従来のイーサリアムステーキングでは、32ETHという高い参入障壁がありましたが、ether.fiを使用することで、少額のETHからでもステーキングに参加することができるようになりました。これにより、より多くの人々がイーサリアムネットワークの運営に参加し、報酬を得る機会が生まれています。

さらに、ether.fiはステーキングしたETHに対して、eETHという流動性トークンを発行します。これにより、ユーザーはステーキング中でもある程度の資産流動性を維持することができ、必要に応じて資産を活用する柔軟性を得ることができます。

**ether.fiはノードオペレータのネットワークを分散化することを目指しています。**これにより、ステーキングの中央集権化リスクを軽減し、ネットワークの健全性を高めることができます。

c)なぜ注目されているのか?

ether.fiが注目を集めている理由は多岐にわたります。まず、イーサリアムのステーキング参加のハードルを大幅に下げることで、より多くの人々がイーサリアムネットワークの運営と報酬に参加できるようにしています。これは、イーサリアムネットワークの分散化と安全性向上に寄与する可能性があり、エコシステム全体にとって重要な進展です。

また、ether.fiは既存の大規模なステーキングプロバイダーとは異なるアプローチを取っており、ステーキングの分散化とユーザーの選択肢拡大を重視しています。これは市場に新しい選択肢を提供し、ステーキングサービス市場に新たな競争をもたらしています。結果として、ユーザーにとってより良いサービスと条件につながる可能性があります。

ether.fiの成功は、イーサリアムネットワーク全体の健全性と成長に寄与する可能性があります。より多くの参加者がステーキングに関わることで、ネットワークの安全性と効率性が向上し、イーサリアムエコシステム全体の発展につながる可能性があります。

ただし、ether.fiはまだ比較的新しいプロジェクトであり、長期的な持続可能性や安全性については、今後の発展と検証が必要です。また、規制環境の変化や技術的な課題など、潜在的なリスクも存在することには注意が必要です。

EigenLayerとether.fiの概要を表にまとめると以下のようになります。

③EigenLayerとLidoとether.fiの関係は?

a) EigenLayerとLidoの関係

EigenLayerとLidoは、イーサリアムのステーキングエコシステムにおいて相互に補完的な役割を果たしています。Lidoは、ユーザーが少額のETHでもステーキングに参加できるようにする流動性ステーキングサービスを提供しています。一方、EigenLayerは、ステーキングされた資産を再利用してさらなる収益を得る機会を提供します。この二つのプロトコルの関係は、相乗効果を生み出す可能性があります。例えば、LidoのユーザーがステーキングしたETHに対して受け取るstETHを、EigenLayerのプラットフォームで再ステーキングすることができます。これにより、Lidoユーザーは通常のステーキング報酬に加えて、EigenLayerを通じた追加の収益機会を得ることができます。また、EigenLayerの「モジュラー型セキュリティ」の概念は、Lidoのようなステーキングプールのセキュリティを強化する可能性があります。EigenLayerを通じて、Lidoのバリデータがより多様なサービスを提供し、ネットワークの安全性を高めることができるかもしれません。

b) EigenLayerとether.fiの関係

EigenLayerとether.fiは、それぞれ異なるアプローチでイーサリアムのステーキングエコシステムに革新をもたらそうとしています。ether.fiは、Lidoと同様に、少額からのステーキング参加を可能にすることを目指していますが、より分散化されたアプローチを取っています。一方、EigenLayerは既存のステーキング資産の効率を高めることに焦点を当てています。これら二つのプロトコルの関係は、相互に補完的になります。すなわちether.fiのユーザーが受け取るeETH(ether.fiの流動性トークン)はEigenLayerのプラットフォームで利用で自動的にリステーキングされるようです。これにより、ether.fiユーザーは、分散化されたステーキングの利点を享受しつつ、EigenLayerを通じて追加の収益機会を得ることができます。

c)ether.fiとLidoの関係

両者の関係は、主に競合関係にあると言えます。

EygenLayerも含めた両者のエコシステムについて、以下に再掲しておきます。

ether.fiはLidoの強力な競争相手となることを目指しており、より分散化されたノードオペレータネットワークと、ユーザーにとってより透明性の高いシステムを提供しようとしています。しかし、この競争関係は、イーサリアムのステーキングエコシステム全体にとってはプラスになる可能性があります。

ether.fiとLidoの関係において、最も重要な違いは主に3つの側面に集約されます。

まず、分散化アプローチとノードオペレータの選択方法が大きく異なります。Lidoは専門家による厳格な審査プロセスを経て選ばれた限定数のノードオペレータを使用し、高度な技術力と信頼性を確保していますが、同時に中央集権化の懸念も生じています。対照的に、ether.fiはより開かれたノードオペレータネットワークを目指しており、より多くの参加者がノードオペレータとなる機会を提供しています。この approach は、ネットワークの分散化を促進する一方で、品質管理の課題をもたらす可能性があります。この違いは、両プロトコルの根本的な哲学と運営方針を反映しており、ユーザーの選択に大きな影響を与えています。

次に、市場での地位と流動性トークンの普及度に顕著な差があります。Lidoは2020年の設立以来、イーサリアムのステーキング市場で先駆的な役割を果たし、現在最大の流動性ステーキングプロバイダーとしての地位を確立しています。LidoのstETHは市場で広く認知され、多くのDeFiプロトコルで利用されています。一方、ether.fiは比較的新しいプロジェクトで、eETHの利用可能性は現時点でstETHほど広くありません。しかし、ether.fiは新たな選択肢を提供し、独自の特性や利用方法を開発することで差別化を図っています。この市場地位の違いは、ユーザーの信頼度や利用可能なDeFiオプションに直接影響を与えており、両プロトコルの採用率や成長速度に大きく関わっています。

最後に、長期的ビジョンとガバナンス構造の違いが挙げられます。Lidoはイーサリアムステーキングの「デファクトスタンダード」となることを目指し、他のブロックチェーンへの展開も進めています。そのガバナンスはLDOトークン保有者によるDAO形式を採用しています。一方、ether.fiはイーサリアムステーキングの真の分散化と民主化の実現に重点を置き、より広範な参加者が意思決定プロセスに関与できるガバナンスモデルを模索しています。この違いは各プロトコルの将来の発展方向や、ユーザーの参加度合いに大きな影響を与える可能性があり、長期的にはエコシステム全体の構造にも影響を及ぼす可能性があります。

これらの重要な違いは、イーサリアムのステーキングエコシステムに多様性をもたらし、ユーザーに異なる選択肢を提供しています。LidoとEther.fiの競争は、イノベーションを促進し、サービスの質を向上させる可能性があり、最終的にはイーサリアムネットワーク全体の強化につながる可能性があります。両プロトコルの存在と競争が、ステーキング市場の発展と成熟を加速させ、より多くのユーザーがイーサリアムのエコシステムに参加する機会を創出しているのです。

これらを表にまとめ直すと以下のようになります。

ether.fiが後発であるにもかかわらずTVL(Total Value Locked)を伸ばしている理由は、主に3つの要因に集約されます。

まず、ether.fiの分散化へのコミットメントが挙げられます。イーサリアムの根本的な理念である分散化により忠実なアプローチを取るether.fiは、より開かれたノードオペレータ選択プロセスと、広範な参加を促すガバナンスモデルを採用しています。これにより、中央集権化に懸念を持つユーザーや、イーサリアムの本来の価値観を重視する投資家からの強い支持を集めています。この分散化へのコミットメントが、既存の大手プロバイダーとの明確な差別化を可能にし、独自の市場ポジションの確立につながっています。

次に、ether.fiの革新性と新規性の魅力が重要な要因となっています。暗号資産市場では、新しいイノベーションに対する需要が常に高く、ether.fiの新しいアプローチや技術は、早期採用者や革新を求める投資家の興味を強く引いています。新しいプロジェクトならではの高い潜在的リターンや、初期参加者への特別な機会提供も、多くの投資家を惹きつける要因となっています。また、既存のソリューションに満足していないユーザーにとって、ether.fiは魅力的な代替選択肢となっており、これが新たな資金流入につながっています。

最後に、ether.fiの効果的な戦略とエコシステム構築努力が、TVL成長の重要な推進力となっています。ether.fiチームの高い実行力、戦略的なパートナーシップの構築、そして活発なコミュニティ育成への取り組みが、プロジェクトの信頼性と認知度を大きく高めています。透明性の高いコミュニケーション、ユーザーフレンドリーな製品開発、そしてDeFiエコシステムとの積極的な統合により、全体的なユーザー体験が向上し、結果としてTVLの着実な増加につながっています。さらに、市場環境の変化に合わせた柔軟な戦略調整も、継続的な成長を支える重要な要素となっています。

etther.fiの成長の理由をまとめ直します。

3)イーサリアムのリステーキングは、どうやって始めるの?

①リステーキングの準備

イーサリアム(ETH)と、リステーキングの仕組みに関する基本的な理解が必要ですが、 ここまでブログを読み進めてきていただいたあなたは必要な知識を備えていると思います。

その他に必要なものはMetaMaskなどのWeb3対応ウォレットです。

次に主要なリステーキングプラットフォーム(EigenLayer、Rocket Pool、Lido Financeなど、の特徴を比較することが必要です。

今回は、実例としてether.fiでリキッドステーキングをしてから、これをCurveにリステーキングする手順を簡単に説明します。

②リステーキングの実行手順

MetaMaskで他のDeFiを試したことのある方には比較的簡単な手順でステーキングは可能です。

いかにステップごとに記載します。

a)ether.fiにETHをリキッドステーキングする

ether.fiのウェブサイト (https://www.ether.fi/)にアクセスする。


:MetaMaskなどのウォレットを接続する

:ステーキングしたいETHの量を入力

取引を承認し、eETH(ether.fiのステーキングトークン)を受け取る。

わかりにくいと思われた方は、こちらの動画をどうぞ。

b)CurveにeETHをリステーキングする

Curveにリステーキングすることは、あくまでオプションですが、Curveを使ってリスクを取りつつ収益を取りたい方は試してみてください。

:eETHをweETHにラップする

:”DeFi”からCurveへ遷移

:weETHとwETHでLP

c)Debankでモニタリングする

預け終えた方はDeBankでモニタリングしましょう。まだDeBankを使っていない方は、このサイトにアクセスしてメタマスクを繋げてください。

なお少額ですが私が実施に運用いている様子をこちらから確認することも可能です。

③報酬について

ether.fiでリキッドステーキングをして、Curveでリステーキングしたが場合には以下の4つの報酬が期待できます。

a) ETHでの報酬

これはether.fiに繋げているメタマスクのウォレットに入ってきます。


b)ether.fiのロイヤルティポイントによる報酬

こちらはether.fiのサイトで確認できます。将来的にはエアドロップになることが期待されています。

c)EigenLayerのポイントによる報酬

d) Curveによるポイント

まとめ

イーサリアムのリステーキングは、暗号資産投資の新たなフロンティアとして注目を集めています。従来のステーキングよりも高い収益性を提供し、イーサリアムエコシステム全体の発展に貢献する可能性を秘めています。

しかし、高い収益性には常にリスクが伴います。リステーキングを始める前に、十分な調査と理解が必要です。また、自己の投資目標とリスク許容度に合わせて慎重に判断することが重要です。

リステーキングは exciting な機会ですが、常に最新の情報を入手し、慎重にアプローチすることをお忘れなく。この先進的な資産運用方法が、あなたの投資戦略にどのように組み込めるか、じっくり検討してみてはいかがでしょうか。技術の進化と共に、リステーキングの世界も日々変化しています。継続的な学習と適応が、成功への鍵となるでしょう。

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